レールと考える力と読書

社会人になり、仕事を始めると考える力を試される場面が多い。

というか、社会人は、ほとんど自分がどれだけ考えられるかが勝負の世界だ。

社会人として25年近く過ごしてきた。

最近、業務内容も入社時とは比べ物にならないくらい多岐にわたり、忙しくなっている。

立場も以前のように、自分のことだけやっているわけにはいかなくなった。

後輩の面倒も見る立場になっている。

 

後輩を見ていて思うのは、やはり考える力のあるなしで成果がかなり違うということだ。

何かのプロジェクトを始めて、1週間もすると違いが見えてくる。

最終的なゴールを自分で設定し、逆算して仕事を進められるタイプ。

いわれたことだけひたすらやっていくタイプ。

いわれたことがなかなか理解できず(戦術理解度が低く)、いつの間にか違う方向に進んでいくタイプ。

 

考える力があると、情報収集と確認を繰り返しながら進んでいくことができる。

そういうタイプはおのずと結果が伴ってくる。

なかなか成果が出ないタイプは考える力が弱い。

自分で考えて進んでいくことができない。

たた、義務教育を終えて、自分の学力の範囲で、見えないレールに乗って大学生活を終えて就職すると考える力を育てる場面は少ない。

パッケージとしてもともとフレームが用意されていて、プラモデルを組み立てるように説明書通りにやっていけばそこそこうまくいく。

部活などの場面でもある程度反復練習していけば、レギュラーとしてそこそこ活躍できる。

一人でじっと考えたり、耐える時間は、ついスマホでYouTubeをみてすごしてしまい、失われる。

私の子供の頃もファミコンが流行ったり、大学生から携帯が普及して環境はどんどん変わってきていた。

基本的にレールに乗って生きてきたことは間違いない。

しかし、今よりも圧倒的に暇な時間があり、隙間を埋めるスマホがなかった。

生まれた時からスマホがある世代は、私たちの世代にもまして、一人で考え行動する時間が限定されているように思える。

それぐらいスマホに自分の時間を奪われているし、社会のシステムが、考える時間や一人になる時間を奪っているように思える。

エンタメがそこら中にあふれているし、スマホの画面から逃げることができない。

気付くとスマホの画面を見ている後輩の姿がある。

後輩に「自由にやってよい」というと「マニュアルはないですか?」と聞かれる。

「人のやり方を盗め」と昭和世代の定番のセリフを言ってみたが、きょとんとしていた。

「この会社には人材育成のマニュアルもないのですか」とは言わなかったが。

考える力を育てるには読書が一番良い気がする。

やはり、紙で読むのがいい。

最近は、老眼が進んだり、空き時間に聞けるのでオーディオブックも活用しているが、自力で考えながら読み進める紙の本が一番しっくりくる。

スマホを機内モードにして、見えないとこに置き、じっくりと紙の本を読む。

実はそんな時間が貴重になっている。

ほうっておくとスマホを見てしまうので、強制的に本を読む時間を作っている。

会社に行って、スマホ世代の後輩にそれを伝えようと思ったが、またあのきょとんとした目でみつめられるのかな。

そんなことを思った。

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