子供たちも20歳を過ぎ、大学生となって家を離れた。
夫婦生活も20年を超えている。
会社員としても24年以上勤めて、それなりの立場になった。
体力面でも特に衰えを感じてはいない。
そのような状況の中、最近考えているのが親の介護のことだ。
★★★
父は75歳を過ぎてもまだまだ健康で、ゴルフを楽しんだりしている。
しかし、母は難病を患っており、病はだんだん進行している。
私は実家から車で5分、歩いて16分くらいの距離に家を建てて住んでいる。
普段は会社と家との往復という感じだが、週末は歩いて実家に行き父と酒を飲んで話すようになった。
家で一人で酒を飲むことは極力しないが、実家の様子見もかねて行くようにしている。
★★★
実家では父と母、妹が実家の敷地内の工場で家業を行っている。
母も元気なころは仕事をしていたが、5年ほど前に難病を患ってからはのんびり過ごしている。
急激に悪くなることはないが、病状が進行している。
最近は歩くことも困難な状況だ。
定期的に薬を飲まないと、体がうまく動かなくなる。
★★★
祖父も同様の病気だった。
20年近く寝たきりの生活が続き、祖母が介護をしていた。
私が小学生の頃は、祖父がたまにうめき声を出して気味悪がるので、なかなか友達を家に招いて遊ぶことができなかった。
遺伝的な要素があるので、私もゆくゆくはこの病気になるのではないかという不安も心のどこかにある。
★★★
今週末、父が10年ぶりの同級会に行くという。
しかも泊まりだ。
つまり、私が母の介護をすることになった。
一晩様子を見ながら、実家に泊まる。
父は普段は多少文句を言いながらだが、平気な顔をして母の介護をしている。
父の携帯の待ち受けは若いころの夫婦の写真だ。
だが、少し前に珍しく弱音を吐いていた。
そんな父を見て、自分も少しでも力になりたいと思った。
そんな折に父の同級会の案内が届いた。
車で40分ほどの温泉施設に久しぶりに同級生が遠方からも集まるという。
父は当初、母のこともあるので宿泊しない予定だった。
ただ年齢的に今後頻繁に同級会が開催されることも考えにくいし、たまにはゆっくりさせてやってほしいと父の友人から私に直接連絡があった。
★★★
今週末。私は初めて本格的に母の介護をする。
今まではたまに寄ったときに少し介助する程度だった。
「夫婦関係、子育て、仕事」に、「介護」という新しい要素が加わってきた。
世間で言われている「48歳どん底説」を、身をもって体験し、今を記録していきたい。
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